因数分解のやり方
公式 4 つ、符号の決め方、共通因数、二次方程式の解き方を、計算機と練習問題で確かめます。最後に、都立高校入試でどう出るかを正答率つきで載せています。
やり方
x² + bx + c は、 「掛けて c、足して b」 の 2 つの数を探す
例: x² + 5x + 6 → 掛けて 6、足して 5 になるのは 2 と 3 → (x + 2)(x + 3)
どの式でも、最初に共通因数をくくり出します。答えは展開すれば、もとの式に戻るかで確かめられます。
「因数」は、かけ算をつくっている 1 つ 1 つの式や数のこと。(x + 2)(x + 3) なら、x + 2 と x + 3 が因数です。式を因数のかけ算に分けるので「因数分解」といいます。
説明を読む前に、まず 1 問
x² + 5x + 6 を因数分解すると?
因数分解・二次方程式の計算機(途中の式つき)
宿題の答え合わせに使えます。係数を入れると、共通因数・因数分解・= 0 の解を順に出します。因数分解できないときは、解の公式で √ を残した形で出します。
引き算はマイナスの数で入れます(x² − 2x − 15 なら 1、−2、−15)。
x² + 5x + 6
- 掛けて 6、足して 5 になる 2 つの数は 2 と 3
- 因数分解: (x + 2)(x + 3)
- それぞれ = 0 とおいて、x = −2, −3
- 因数分解
- (x + 2)(x + 3)
- = 0 の解
- x = −2, −3
なぜ「掛けて・足して」なのか(面積で見る)
(x + 2)(x + 3) は、縦 x + 3、横 x + 2 の長方形の面積です。スライダーで数を変えて、4 つの部分がどう変わるかを見てください。
(x + 2)(x + 3) = x² + 5x + 6
帯 2 本で 2x + 3x = 5x(足し算)。右下の小さな長方形は 2 × 3 = 6(掛け算)。因数分解は、この長方形を逆に組み立てることです。
因数分解の公式 4 つ
和と積
x² + (a + b)x + ab = (x + a)(x + b)
例: x² + 5x + 6 = (x + 2)(x + 3)
和の 2 乗
x² + 2ax + a² = (x + a)²
例: x² + 6x + 9 = (x + 3)²
差の 2 乗
x² − 2ax + a² = (x − a)²
例: x² − 10x + 25 = (x − 5)²
和と差の積
x² − a² = (x + a)(x − a)
例: x² − 16 = (x + 4)(x − 4)
左右を入れ替えれば、そのまま展開(乗法公式)です。展開と因数分解は、同じ式を逆向きに読むだけです。
どの公式を使うか(見分け方)
式を見たら、上から順に確かめます。順番を決めておくと、迷う時間が無くなります。
- 1
すべての項に共通する数や文字はある?
ある → 先にくくり出す
例: 3x² + 6x = 3x(x + 2)
- 2
項は 2 つで、「2 乗 − 2 乗」?
はい → 和と差の積
例: x² − 25 = (x + 5)(x − 5)
- 3
項は 3 つで、両端が 2 乗・真ん中が「2 × 両端の数」?
はい → 2 乗の公式
例: x² + 8x + 16 = (x + 4)²(8 = 2 × 4)
- 4
どれでもない
「掛けて c、足して b」の 2 つの数を探す
例: x² − x − 12 = (x + 3)(x − 4)
よくある間違い 4 つ
1符号を決めずに数を探す
定数項が負なら、2 つの数は片方が正・片方が負。x² − x − 6 は −3 と +2 で (x − 3)(x + 2) です。先に符号を決めると、探す組が半分になります。
2共通因数をくくり出し忘れる
3x² + 6x は 3x(x + 2)。3(x² + 2x) で止めると、かっこの中にまだ x が残っていて途中です。
3二次方程式の両辺を x で割る
x² = 3x を x で割ると x = 3 だけが残り、x = 0 の解が消えます。移項して x(x − 3) = 0 にしてから解きます。
4解の公式で約分を片方だけする
(−2 ± 2√7)/2 は、分子の 2 つの項をどちらも 2 で割って −1 ± √7。−2 だけ割って −1 ± 2√7 とするのは誤りです。
もっと知りたいとき
形を見て、上から順に試します。
- (x + a)² = b の形なら平方根で: (x − 3)² = 5 → x − 3 = ±√5 → x = 3 ± √5
- 因数分解できるなら: x² + 3x − 10 = 0 → (x + 5)(x − 2) = 0 → x = −5, 2
- どちらでもないなら解の公式: x = (−b ± √(b² − 4ac)) / 2a
因数分解は展開して戻す。(x + 3)(x − 5) を展開して x² − 2x − 15 に戻れば正解です。
二次方程式は代入して 0 になるか。x = 2 が x² + 3x − 10 = 0 の解なら、4 + 6 − 10 = 0 になります。
「12 の因数分解」のように数を分けるときは、素因数分解(素数のかけ算に分ける)のことが多いです。中学 1 年で習います。
12 = 2 × 6 = 2 × 2 × 3 = 2² × 3。小さい素数(2、3、5、7…)から順に割っていきます。
このページの因数分解(中学 3 年)は、数ではなく式をかけ算に分けるものです。考え方は同じで、どちらも「かけ算の形に直す」計算です。
文字が 2 つでも、公式はそのまま使えます。
- x² − 4y² = x² − (2y)² = (x + 2y)(x − 2y)
- x² + 5xy + 6y² = (x + 2y)(x + 3y)(掛けて 6y²、足して 5y)
同じかたまりが出てくる式は、1 つの文字に置き換えます。
(a + b)² + 3(a + b) + 2 で a + b = A とおくと A² + 3A + 2 = (A + 1)(A + 2)。A をもとに戻して (a + b + 1)(a + b + 2)。
x² の係数が 1 でない式は、高校 1 年で「たすき掛け」を習います。2x² + 5x + 3 なら、2 = 1 × 2、3 = 1 × 3 と分けて、斜めに掛けた 1 × 3 + 1 × 2 = 5 が x の係数に合う組を探します。
答えは (x + 1)(2x + 3)。上の計算機でも確かめられます。中学の入試では、x² の係数は共通因数をくくり出して 1 にする形が中心です。
練習問題 5 問
1 問ずつ出します。選ぶとその場で丸付けし、間違えたときはその答えになった理由を出します。
0 / 5 正解
問 1 / 5・基本・中3
x² + 7x + 12 を因数分解しなさい。
この型の類題を解く(二次方程式の類題を解く)
都立高校入試ではこう出る
数学の大問 1 は計算の問題が並びます。2019〜2026 年度の 8 年すべてで、問 6 が二次方程式、問 3 が平方根の計算(8 年のうち 7 年は、乗法公式を使う展開)でした。二次方程式は、解の公式で解く型が 5 回、平方根を使う型が 2 回、因数分解で解く型が 1 回です。
- 2026問 3平方根の展開(2 乗の公式)74.4%問 6因数分解で解く72.3%
- 2025問 3平方根の展開(和と差の積)73.5%問 6解の公式で解く79.4%
- 2024問 3平方根の展開(乗法公式)83.4%問 6平方根を使って解く((x − a)² = b)60.4%
- 2023問 3平方根の展開73.6%問 6解の公式で解く(x² の係数が 2)72.2%
- 2022問 3平方根の展開(2 乗の公式)78.7%問 6解の公式で解く(x² の係数が 4)58.4%
- 2021問 3平方根の乗除55.3%問 6平方根を使って解く((x + a)² = b)54.8%
- 2020問 3平方根の展開76.2%問 6解の公式で解く(x² の係数が 3)57.3%
- 2019問 3平方根の展開(2 乗の公式)85.7%問 6解の公式で解く69.0%
太字が二次方程式の問い。配点は各 5 点。右の数字と棒は正答率で、東京都教育委員会「東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査 報告書」(抽出調査)。型はこのサイトが問題を読んで分けたものです。
よくある質問
因数分解とは?
式を、かけ算の形に書き直すことです。たとえば x² + 5x + 6 を (x + 2)(x + 3) にします。展開(かっこを外す)のちょうど逆の計算です。
12 の因数分解は?
数を分けるときは素因数分解(素数のかけ算に分ける)のことが多く、12 = 2² × 3 です。式の因数分解と同じく「かけ算の形に直す」計算です。
どの公式を使えばいいか、見分け方は?
①共通因数をくくる ②項が 2 つで「2 乗 − 2 乗」なら和と差の積 ③項が 3 つで両端が 2 乗・真ん中が 2 倍なら 2 乗の公式 ④どれでもなければ「掛けて c、足して b」、の順に確かめます。
因数分解の公式は?
x² + (a + b)x + ab = (x + a)(x + b)、x² + 2ax + a² = (x + a)²、x² − 2ax + a² = (x − a)²、x² − a² = (x + a)(x − a) の 4 つです。どれを使う前にも、まず共通因数をくくり出します。
因数分解のやり方のコツは?
定数項(数だけの項)を「掛けて」作る組を先に全部書き出し、その中から x の係数を「足して」作る組を選びます。定数項が負なら、2 つの数の符号は逆です。
答えが合っているか確かめるには?
因数分解した式を展開して、もとの式に戻るかを確かめます。(x + 2)(x + 3) = x² + 5x + 6 なら正解です。
たすき掛けは中学で習いますか?
x² の係数が 1 でない式(2x² + 5x + 3 など)を分けるたすき掛けは、高校 1 年の数学Ⅰで習います。中学では、共通因数をくくり出して x² の係数を 1 にする形が中心です。
二次方程式は、因数分解と解の公式のどちらで解けばいいですか?
まず因数分解できるかを 30 秒ほど探し、整数の組が見つからなければ解の公式に切り替えます。(x − 3)² = 5 のような形なら、平方根を使ってそのまま解きます。
都立高校の入試には出ますか?
2019〜2026 年度の 8 年すべてで、大問 1 の問 6 に二次方程式が出ています。解の公式で解く型が 5 回、平方根を使う型が 2 回、因数分解で解く型が 1 回でした。