ひし形の面積の求め方(対角線 × 対角線 ÷ 2)
ひし形の面積の公式と、なぜ 2 で割るのかを、動く図と計算機で確かめます。正方形を対角線から出す方法、底辺 × 高さで出す方法、中学で習うひし形の性質まで扱います。
公式
ひし形の面積 = 対角線 × 対角線 ÷ 2
例: 対角線が 8 cm と 6 cm → 8 × 6 ÷ 2 = 24 cm²
2 で割るのは、ひし形が、まわりを囲む長方形(縦・横が対角線と同じ長さ)のちょうど半分だからです。図で確かめる
説明を読む前に、まず 1 問
対角線の長さが 10 cm と 4 cm のひし形の面積は?
ひし形の面積の計算機(図と途中の式つき)
宿題の答え合わせに使えます。対角線を変えると、ひし形がその形に変わります。点線の長方形が、ひし形を囲む長方形です。面積と対角線 1 本から、もう 1 本を出す向きにも切り替えられます。
- 面積
- 24cm²
- 囲む長方形の面積
- 48cm²
- 1 辺の長さ(参考・中 3)
- 5cm
- ひし形を囲む長方形 = 8 × 6 = 48
- ひし形の面積 = その半分 = 48 ÷ 2 = 24
なぜ「÷ 2」なのか
ひし形の対角線は、垂直に交わります。だから、ひし形のまわりに、縦・横が対角線と同じ長さの長方形をぴったり書けます。ひし形はその長方形の半分です。3 通りの見方で確かめてください。
長方形(8 × 6 = 48 cm²)の中で、ひし形の外にあるのは、すみの 4 つの三角形です。スライダーを右まで動かして、どこに重なるか見てください。
横の対角線で切ると、底辺 8・高さ 3(縦の対角線の半分)の三角形が 2 つ。
8 × 3 ÷ 2 = 12、それが 2 つで 24 cm²。まとめて書くと 8 × 6 ÷ 2 です。三角形の面積を習ったあとなら、こちらの考え方がいちばん速く書けます。
下半分(点線)を縦に半分に切って、上の左右のすき間に移すと、横 8・縦 3 の長方形になります。縦は、縦の対角線 6 の半分。8 × 3 = 24 cm²。「÷ 2」は、縦の対角線を半分にしたところに入っています。
四角形の面積の公式
ひし形と、まちがえやすい四角形を並べました。
| 形 | ふつうの式 | こうも出せる | 例 |
|---|---|---|---|
| ひし形 | 対角線 × 対角線 ÷ 2 | 底辺 × 高さ | 8 × 6 ÷ 2 = 24 |
| 正方形 | 1 辺 × 1 辺 | 対角線 × 対角線 ÷ 2 | 10 × 10 ÷ 2 = 50 |
| 平行四辺形 | 底辺 × 高さ | ― | 5 × 4.8 = 24 |
| 対角線が垂直な四角形 | 対角線 × 対角線 ÷ 2 | ― | 6 × 8 ÷ 2 = 24 |
| 長方形 | 縦 × 横 | 対角線の式は使えない(正方形を除く) | 6 × 4 = 24 |
「対角線 × 対角線 ÷ 2」が使えるかどうかは、対角線が垂直に交わるかで決まります。ひし形・正方形は使えて、正方形でない長方形や、ひし形でない平行四辺形は使えません。
よくある間違い 4 つ
1÷ 2 を忘れる
対角線 × 対角線は、ひし形を囲む長方形の面積です。ひし形はその半分。答えが長方形と同じになっていないかを確かめます。
2対角線の半分を使って、さらに ÷ 2
図に「交点から頂点まで」の長さが書いてあるときは、2 倍して対角線にしてから公式に入れます。半分のまま割ると、答えは 4 分の 1 になります。
3辺 × 辺 で出してしまう
ひし形の辺は斜めなので、辺 × 辺 は面積になりません(それが使えるのは正方形だけ)。1 辺 5 cm でも、つぶれ方で面積は変わります。
4長方形や平行四辺形に、対角線の式を使う
対角線 × 対角線 ÷ 2 が使えるのは、対角線が垂直に交わる四角形だけです。長方形は縦 × 横、平行四辺形は底辺 × 高さで出します。
もっと知りたいとき
対角線しか分からない正方形の面積
正方形は、4 辺が等しく、対角線が垂直に交わります。つまりひし形の仲間なので、同じ式が使えます。
対角線 10 cm なら 10 × 10 ÷ 2 = 50 cm²。1 辺の長さが分からなくても出せます。
中 3 では、1 辺 = 対角線 ÷ √2(10 ÷ √2 = 5√2)を出し、5√2 × 5√2 = 50 と確かめられます。
ひし形の面積を、底辺 × 高さで出す
ひし形は、向かい合う辺が平行なので平行四辺形の仲間です。1 辺を底辺にすれば、底辺 × 高さでも面積が出ます。
1 辺 5 cm・高さ 4.8 cm なら 5 × 4.8 = 24 cm²。これは、対角線 8 cm と 6 cm のひし形(8 × 6 ÷ 2 = 24)と同じ形です。
逆に、対角線と 1 辺が分かれば、高さ = 面積 ÷ 1 辺で高さが出ます(練習問題 5 と同じ型)。
ひし形の性質と、四角形の仲間(中 2)
- 4 つの辺の長さがすべて等しい(これがひし形の決まり)
- 向かい合う辺は平行、向かい合う角は等しい(平行四辺形の性質)
- 2 本の対角線は垂直に交わり、互いを半分に分ける(面積の式が使えるのは、このため)
正方形は、ひし形でもあり長方形でもあります。だから正方形には、ひし形の式(対角線 × 対角線 ÷ 2)も、長方形の式(縦 × 横)も使えます。
ひし形でなくても使える形と、1 辺の長さ(中 3)
対角線が垂直に交わっていれば、ひし形でなくても、対角線 × 対角線 ÷ 2 が使えます。図のたこのような形なら 6 × 8 ÷ 2 = 24 cm²。
ひし形の 1 辺は、対角線の半分 2 つを直角をはさむ辺とする直角三角形の斜辺です。対角線 8 cm と 6 cm なら、三平方の定理(中 3)で √(4² + 3²) = 5 cm。計算機の「1 辺の長さ」はこの計算です。
練習問題 5 問
選ぶとその場で丸付けします。間違えたときは、その答えになった理由を出します。
0 / 5 正解
問 1 / 5・基本・小5
対角線の長さが 12 cm と 7 cm のひし形の面積を求めなさい。
都立高校入試ではこう出る
2019〜2026 年度の 8 年で、ひし形は出ていません。ただ、大問 4(平面図形)の舞台は、8 年のうち 6 年が四角形でした。角度を文字式で表す問 1 と、証明の問 2 で、四角形の性質(平行な辺、等しい辺や角)を根拠として使います。
- 2026大問 4正方形66.9%
- 2025大問 4半円と円周角59.6%
- 2024大問 4長方形73.2%
- 2023大問 4台形59.8%
- 2022大問 4正三角形62.2%
- 2021大問 4長方形と円64.8%
- 2020大問 4正方形64.6%
- 2019大問 4平行四辺形68.3%
太字が四角形を舞台にした年。右の数字と棒は問 1(角度を文字式で・5 点)の正答率で、東京都教育委員会「東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査 報告書」(抽出調査)。舞台はこのサイトが問題を読んで分けたものです。
2026年度の報告書2025年度の報告書2024年度の報告書2023年度の報告書2022年度の報告書2021年度の報告書2020年度の報告書2019年度の報告書
四角形が出たときの手順
- どの四角形か(正方形・長方形・ひし形・平行四辺形・台形)を、問題文で確かめる
- その四角形の性質(平行な辺・等しい辺・等しい角・対角線)を図に書き込む
- 証明では、書き込んだ性質を「四角形 ABCD は〇〇だから」と根拠にして使う
- 面積は、対角線が垂直なら 対角線 × 対角線 ÷ 2、平行四辺形・長方形なら 底辺 × 高さ、台形なら(上底 + 下底)× 高さ ÷ 2
よくある質問
ひし形の面積の求め方(公式)は?
ひし形の面積 = 対角線 × 対角線 ÷ 2 です。対角線が 8 cm と 6 cm なら、8 × 6 ÷ 2 = 24 cm² です。
なぜ 2 で割るのですか?
ひし形のまわりを、対角線と同じ縦・横の長方形で囲むと、ひし形はちょうどその半分になるからです。長方形の四隅の三角形 4 つが、ひし形の中の三角形 4 つとぴったり同じ形です。
対角線の半分の長さしか分からないときは?
ひし形の対角線は、交点で半分ずつに分かれます。半分の長さを 2 倍して対角線にしてから、公式に入れます。交点から頂点まで 5 cm と 3 cm なら、対角線は 10 cm と 6 cm で、面積は 30 cm² です。
1 辺の長さだけで、ひし形の面積は出せますか?
出せません。1 辺が同じでも、つぶれ方によって面積が変わるからです(いちばん大きいのは正方形のとき)。対角線 2 本か、底辺と高さが要ります。
正方形の面積も、対角線 × 対角線 ÷ 2 で出せますか?
出せます。正方形はひし形の仲間です。対角線が 10 cm の正方形なら、10 × 10 ÷ 2 = 50 cm² です。1 辺の長さが分からないときに使います。
ひし形の面積は、底辺 × 高さでも出せますか?
出せます。ひし形は平行四辺形の仲間だからです。1 辺 5 cm・高さ 4.8 cm なら 5 × 4.8 = 24 cm² で、対角線 8 cm と 6 cm から出した面積と同じになります。
対角線 × 対角線 ÷ 2 は、どんな四角形に使えますか?
対角線が垂直に交わる四角形なら使えます。ひし形・正方形のほか、たこのような形の四角形にも使えます。正方形でない長方形や、ひし形でない平行四辺形は、対角線が垂直に交わらないので使えません。
面積と対角線 1 本から、もう 1 本の対角線を出すには?
もう 1 本の対角線 = 面積 × 2 ÷ 分かっている対角線 です。面積 30 cm²・対角線 12 cm なら、30 × 2 ÷ 12 = 5 cm です。
ひし形とはどんな四角形ですか?
4 つの辺の長さがすべて等しい四角形です。向かい合う辺は平行で、向かい合う角は等しく、2 本の対角線は垂直に交わって互いを半分に分けます。中学 2 年では、平行四辺形の特別な形として習います。
ひし形の面積は何年生で習いますか?
ひし形という形は小学 4 年(垂直・平行と四角形)、面積の求め方は小学 5 年(四角形と三角形の面積)で習います。中学 2 年で、ひし形の性質(対角線が垂直に交わる)を証明に使います。
都立高校の入試には出ますか?
2019〜2026 年度の 8 年では、ひし形は出ていません。ただ、大問 4(平面図形)の舞台は 8 年のうち 6 年が四角形(正方形・長方形・台形・平行四辺形)で、四角形の性質を根拠に使う力は毎年問われています。