都立入試の過去問・数学・令和6年度
都立入試 2024 数学の解説と正答率
2024年の都立高校入試(共通問題)の数学を、東京都教育委員会の報告書の数字で振り返ります。問題そのものは都教委の検査問題(PDF)で見られます。
正答率と得点分布は東京都教育委員会の報告書から・出典はページの最後にあります
平均点
61.7点
前の年は57.6点
80%以上の問題
5問
25点ぶん
いちばん低い問題
6.1%
4-2②
この年の数学はどうだったか
平均点は 61.7点(前の年は57.6点)。下の帯は、その点数以上をとった受検者の割合です。
その点以上をとった受検者
共通問題で受検した人の中での割合で、合格率ではありません。自校作成問題の学校を受けた人は入っていません。
小問ごとの正答率
マスや位置を押すと、検査問題の PDF のその問題があるページが開きます。「8年平均との差」は、2019〜2026年の同じ位置の平均と比べたものです。「この年の型」は、この年の問題を見て分類したものです。
- 80%以上
- 50〜80%
- 20〜50%
- 20%未満
| 位置 | この年の型 | 配点 | 正答率 | 8年平均との差 |
|---|---|---|---|---|
| 1-1p.3 | 正負の数の計算(累乗を含む) | 5 | 84.9% | -1.6 |
| 1-2p.3 | 文字式の計算(分数でない項がまざる)単元ページで練習 | 5 | 68.1% | -2.7 |
| 1-3p.3 | 平方根の計算(展開) | 5 | 83.4% | +8.3 |
| 1-4p.3 | 一次方程式 | 5 | 93.5% | +7.0 |
| 1-5p.3 | 連立方程式 | 5 | 86.2% | -1.5 |
| 1-6p.3 | 二次方程式(平方根を使う)単元ページで練習 | 5 | 60.4% | -5.1 |
| 1-7p.3 | 箱ひげ図の読み取り | 5 | 89.2% | +25.2 |
| 1-8p.3 | 円周角と角度 | 5 | 52.1% | +0.5 |
| 1-9p.3 | 作図(角の二等分線) | 6* | 46.2% | -11.5 |
| 2-1p.4 | 文字式の利用(図形の面積) | 5 | 61.1% | +8.3 |
| 2-2p.4 | 文字式の証明 | 7* | 23.9% | +0.5 |
| 3-1p.5 | y = ax² の変域 | 5 | 69.8% | -5.8 |
| 3-2p.5 | 2 点を通る直線の式 | 5 | 64.6% | +1.6 |
| 3-3p.5 | 面積の比から座標 | 5 | 8.9% | -4.8 |
| 4-1p.6 | 角度を文字式で | 5 | 73.2% | +8.3 |
| 4-2①p.6 | 相似の証明単元ページで練習 | 7* | 50.1% | -4.0 |
| 4-2②p.6 | 相似の利用(線分の比)単元ページで練習 | 5 | 6.1% | +2.3 |
| 5-1p.7 | 空間図形(角度)単元ページで練習 | 5 | 33.3% | -0.5 |
| 5-2p.7 | 空間図形(体積)単元ページで練習 | 5 | 22.8% | +14.6 |
* は部分点のある問題です。正答率は報告書の値をそのまま使っています。
小問ごとの解き方の要点
問題は都教委の PDF で見て、解き方の要点で考え方をつかむ
問題の数値は載せず、その型の考え方とつまずきやすい所だけを書いています。問題そのものは、位置のリンクから PDF のそのページで見てください。
大問1
- 1-1正負の数の計算(累乗を含む)正答率 84.9%
- 累乗 → かけ算・わり算 → たし算・ひき算の順。かっこが無ければ − は 2 乗の外にあり、−a² と (−a)² は符号が逆になる
- 1-2文字式の計算(分数でない項がまざる)正答率 68.1%
- 分数でない項も、分母をそろえて 1 つの分数にまとめる(分数でない項には分母の数を掛ける)。ひく側の分子はかっこごと引き、中の符号を全部変える
- 1-3平方根の計算(展開)正答率 83.4%
- 乗法公式 (x + a)(x + b) = x² + (a + b)x + ab で展開し、√ の 2 乗は中身になる。√ の項どうし、整数どうしを分けてまとめる
- 1-4一次方程式正答率 93.5%
- 文字の項を左辺、数の項を右辺に集める。移項したら符号を変える。最後に、文字の係数で両辺を割る
- 1-5連立方程式正答率 86.2%
- どちらかの文字の係数を、最小公倍数にそろえて消す。式どうしを引く時は、右辺も引く。求めた値をもとの式に代入して、もう一方を出す
- 1-6二次方程式(平方根を使う)正答率 60.4%
- 「( )² = 数」の形なら、展開せずに両辺の平方根をとる。± を忘れずに 2 つの場合に分け、それぞれ解く
- 1-7箱ひげ図の読み取り正答率 89.2%
- 箱は第 1 四分位数から第 3 四分位数まで(四分位範囲は箱の幅)、ひげの両端は最小値と最大値。最小値・最大値の人は必ずいる。人数が奇数なら、中央値もだれか 1 人の記録そのもの。それ以外の値の人が「いる」「いない」は、箱ひげ図だけでは言い切れない
- 1-8円周角と角度正答率 52.1%
- 直径の両端を結ぶ弧は 180°。弧の長さの比から中心角を出し、対頂角などで等しい角を移す。円周角は、同じ弧に対する中心角の半分
- 1-9作図(角の二等分線)正答率 46.2%
- 2 つの辺から等しい距離にある点は、その 2 辺がつくる角の二等分線の上にある。角の二等分線と、点が乗る辺との交点を求める
大問2
大問3
- 3-1y = ax² の変域正答率 69.8%
- x の変域の両端を代入する。0 をまたぐ時は、最小が 0、最大は 0 から遠い方の端の値になる(y = ax² の係数 a が正の時)。係数が正なら、グラフは上に開く
- 3-22 点を通る直線の式正答率 64.6%
- 点の座標が別の点との関係で決まる時は、その関係から座標を先に出す(グラフ上の点は、x 座標を関数の式に代入する)。2 点の座標から傾き(y の増加量 ÷ x の増加量)を出し、1 点を代入して切片を出す
- 3-3面積の比から座標正答率 8.9%
- 座標軸に平行な線分を底辺にとると、底辺も高さも座標の差で表せる。面積の関係を、点の座標を文字で置いた方程式にする。解が 2 つ出たら、問題の範囲に合う方を選ぶ
大問4
同じ型の類題を解く
類題を解いて、間違えたら、その答えになる人に多いつまずきを読む
類題は、型の説明から作ったこのサイトの問題で、過去問の本文ではありません。間違えた答えを選ぶと、その答えになる人に多いつまずきが出ます。同じ型の続きは、型ごとの練習ページで解けます。
1-1正負の数・指数の計算2024年の正答率 84.9%
次の計算をせよ。
−5² + 14 − 3 × (−2)³
1-2文字式の分数計算2024年の正答率 68.1%
次の計算をせよ。
(7x − 4y)/6 − (5x − 9y)/10
1-3平方根の計算(展開)2024年の正答率 83.4%
次の計算をせよ。
(3√2 − √11)² + √88
1-4一次方程式(かっこ付き)2024年の正答率 93.5%
次の方程式を解け。
3(x − 3) = 2x + 1
1-5連立方程式2024年の正答率 86.2%
次の連立方程式を解け。
3x + 5y = 1 …①
4x + 7y = 3 …②
1-6二次方程式(解の公式)2024年の正答率 60.4%
2024年のこの位置は「二次方程式(平方根を使う)」でした。類題は「二次方程式(解の公式)」で、解き方が違います。
次の二次方程式を解け。
5x² + 11x − 3 = 0
1-7確率(組み合わせ)2024年の正答率 89.2%
2024年のこの位置は「箱ひげ図の読み取り」でした。類題は「確率(組み合わせ)」で、解き方が違います。
男子 4 人、女子 2 人の合わせて 6 人の中から、くじで 2 人の委員を選ぶ。
選ばれる 2 人が、男子 1 人と女子 1 人になる確率を求めよ。ただし、どの 2 人が選ばれることも同様に確からしいものとする。
1-8円周角・平行線と角2024年の正答率 52.1%
下の図のように、1 つの円の周上に 4 点 A、B、C、D が、この順に並んでいる。
点 D を通り線分 AC に平行な直線と、線分 BC を点 C の方に延ばした直線との交点を F とする。
∠ADB = 47°、∠CAD = 29° のとき、図で x° と示した ∠BDF の大きさを求めよ。
2-1文字式の利用(数の操作)2024年の正答率 61.1%
2024年のこの位置は「文字式の利用(図形の面積)」でした。類題は「文字式の利用(数の操作)」で、解き方が違います。
横一列に並んだ数について、次の【操作】を行う。
【操作】となり合う 2 つの数について、左の数から右の数を引いた差を、その 2 つの数の間の下に書き、新しい段をつくる。これを、数が 1 つになるまでくり返す。
例えば、5、−2、3 と並んでいるとき、2 段目は 5−(−2)=7、(−2)−3=−5 で 7、−5 となり、3 段目は 7−(−5)=12 となる。
1 段目に 3、−4、6、−1 と並んでいるとき、最後に残る 1 つの数を求めよ。
3-1y = ax² の変域2024年の正答率 69.8%
関数 y = −(1/3)x² について、x の変域が −6 ≦ x ≦ 3 のときの y の変域を求めよ。
3-22点を通る直線の式2024年の正答率 64.6%
下の図は、座標平面に関数 y = (3/4)x² のグラフ f をかいたものである(O は原点)。
グラフ f 上に 2 点 A、B をとる。点 A の x 座標は −2、点 B の x 座標は 4 である。
2 点 A、B を通る直線の式を求めよ。
4-1角度を文字式で表す2024年の正答率 73.2%
下の図の △ABC は、AB = AC、∠BAC = 76° の二等辺三角形である。
∠BAC の二等分線と辺 BC との交点を E とする。辺 AC の両端を除く部分に点 D をとり、線分 BD と線分 AE との交点を F とする。
∠ABD = a° のとき、∠BFE の大きさを a を用いて表したものとして正しいものを選べ。
1-9・2-2・3-3・4-2①・4-2②・5-1・5-2には、まだ類題がありません。
落とせない問題と、正答率が低かった問題
落とせない問題から 1 段ずつ積み上げて、目標点まで登る
落とせない問題
この年の正答率が80%以上の1-1・1-3・1-4・1-5・1-7。多くの受検者が取っているので、ここを落とすと差をつけられます。
正答率が低かった問題
4-2②(相似の利用(線分の比)・6.1%)、3-3(面積の比から座標・8.9%)、5-2(空間図形(体積)・22.8%)。目標点が高くなければ、後回しにしてよい問題です。
出典
- 正答率・得点分布:東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査 報告書(令和6年度)
- 平均点:東京都教育委員会の報道発表
- 8年分の正答率と型の傾向は数学の過去問分析にまとめています