都立入試の過去問・数学・令和5年度
都立入試 2023 数学の解説と正答率
2023年の都立高校入試(共通問題)の数学を、東京都教育委員会の報告書の数字で振り返ります。問題そのものは都教委の検査問題(PDF)で見られます。
正答率と得点分布は東京都教育委員会の報告書から・出典はページの最後にあります
平均点
57.6点
前の年は59点
80%以上の問題
3問
15点ぶん
いちばん低い問題
1.7%
4-2②
この年の数学はどうだったか
平均点は 57.6点(前の年は59点)。下の帯は、その点数以上をとった受検者の割合です。
その点以上をとった受検者
共通問題で受検した人の中での割合で、合格率ではありません。自校作成問題の学校を受けた人は入っていません。
小問ごとの正答率
マスや位置を押すと、検査問題の PDF のその問題があるページが開きます。「8年平均との差」は、2019〜2026年の同じ位置の平均と比べたものです。「この年の型」は、この年の問題を見て分類したものです。
- 80%以上
- 50〜80%
- 20〜50%
- 20%未満
| 位置 | この年の型 | 配点 | 正答率 | 8年平均との差 |
|---|---|---|---|---|
| 1-1p.3 | 正負の数の計算(累乗を含む) | 5 | 95.1% | +8.6 |
| 1-2p.3 | 文字式の分数計算単元ページで練習 | 5 | 77.3% | +6.5 |
| 1-3p.3 | 平方根の計算(展開) | 5 | 73.6% | -1.5 |
| 1-4p.3 | 一次方程式(かっこを含む) | 5 | 90.4% | +3.9 |
| 1-5p.3 | 連立方程式 | 5 | 87.6% | -0.1 |
| 1-6p.3 | 二次方程式単元ページで練習 | 5 | 72.2% | +6.7 |
| 1-7p.3 | 確率(玉) | 5 | 71.2% | +7.2 |
| 1-8p.3 | 円周角と角度 | 5 | 66.1% | +14.5 |
| 1-9p.3 | 作図(垂線) | 6* | 54.7% | -3.0 |
| 2-1p.4 | 文字式の利用(周の長さ) | 5 | 31.7% | -21.1 |
| 2-2p.4 | 文字式の証明 | 7* | 21.9% | -1.5 |
| 3-1p.5 | 一次関数のグラフ上の点 | 5 | 73.7% | -1.9 |
| 3-2p.5 | 2 点を通る直線の式 | 5 | 38.6% | -24.4 |
| 3-3p.5 | 面積の比から座標 | 5 | 13.8% | +0.1 |
| 4-1p.6 | 角度を文字式で | 5 | 59.8% | -5.1 |
| 4-2①p.6 | 相似の証明単元ページで練習 | 7* | 61.4% | +7.3 |
| 4-2②p.6 | 相似の利用(面積の比)単元ページで練習 | 5 | 1.7% | -2.1 |
| 5-1p.7 | 空間図形(動点と長さの最小)単元ページで練習 | 5 | 12.5% | -21.3 |
| 5-2p.7 | 空間図形(体積)単元ページで練習 | 5 | 3.2% | -5.0 |
* は部分点のある問題です。正答率は報告書の値をそのまま使っています。
小問ごとの解き方の要点
問題は都教委の PDF で見て、解き方の要点で考え方をつかむ
問題の数値は載せず、その型の考え方とつまずきやすい所だけを書いています。問題そのものは、位置のリンクから PDF のそのページで見てください。
大問1
- 1-1正負の数の計算(累乗を含む)正答率 95.1%
- 累乗 → かけ算・わり算 → たし算・ひき算の順。わり算は、たし算より先に済ませる
- 1-2文字式の分数計算正答率 77.3%
- 分母を最小公倍数でそろえ、ひく側の分子はかっこごと引く。かっこを外す時は、中の符号を全部変える
- 1-3平方根の計算(展開)正答率 73.6%
- 乗法公式で展開し、√ の 2 乗は中身になる。√ の前の数どうしも掛ける。√ の項どうし、整数どうしを分けてまとめる
- 1-4一次方程式(かっこを含む)正答率 90.4%
- かっこを外してから、文字の項を左辺、数の項を右辺に集める。移項したら符号を変える
- 1-5連立方程式正答率 87.6%
- どちらかの文字の係数をそろえて消す。片方の係数がもう片方の倍数なら、片方の式だけを何倍かすればよい。式どうしを引く時は、右辺も引く
- 1-6二次方程式正答率 72.2%
- 整数の範囲で因数分解できない時は、解の公式を使う。a・b・c を符号ごと書き出し、b² − 4ac を先に計算する。x² の係数が 1 でない時は、分母の 2a にも注意
- 1-7確率(玉)正答率 71.2%
- 同時に取り出す時は、取り出す順を区別しない組で数える。同じ色の玉にも区別の名前を付けて、すべての組を書き出す。確率 = 条件に合う組の数 ÷ すべての組の数
- 1-8円周角と角度正答率 66.1%
- 直径に対する円周角は 90°。同じ弧に対する円周角は等しい。わかる角を図に書き込み、三角形の内角の和で求める
- 1-9作図(垂線)正答率 54.7%
- 円周上で直線からいちばん遠い点は、円の中心から直線に引いた垂線の上にある。中心を通る垂線を作図し、円と交わる 2 点のうち直線から遠い方をとる
大問2
大問3
- 3-1一次関数のグラフ上の点正答率 73.7%
- 点が直線の上にあれば、その座標は直線の式を満たす。わかっている方の座標を式に代入して、もう一方を出す
- 3-22 点を通る直線の式正答率 38.6%
- 直線と x 軸の交点は、y = 0 を代入して求める。線分が y 軸で二等分される時、両端の x 座標は絶対値が同じで符号が逆。そこから点の座標を出し、2 点を通る直線の式を求める
- 3-3面積の比から座標正答率 13.8%
- 座標軸に平行な線分を底辺にとると、底辺も高さも座標の差で表せる。軸に平行な辺が無い三角形は、軸との交点で 2 つの三角形に分けて足す。y 軸について線対称な点は、x 座標の符号だけが変わる。面積の関係を、点の座標を文字で置いた方程式にする
大問4
- 4-1角度を文字式で正答率 59.8%
- 数で決まる角を先に埋め、文字は最後まで文字のまま扱う。2 組の向かい合う辺が平行な四角形は平行四辺形で、向かい合う辺の長さが等しい。等しい辺があれば二等辺三角形の底角が等しい。平行な 2 辺の間の、同じ側の内角の和は 180°。最後は三角形の内角の和で求める
- 4-2①相似の証明正答率 61.4%
- 対応する頂点の順に三角形を書き、等しい角を 2 組そろえる。平行線の錯角と、対頂角がよく使われる
- 4-2②相似の利用(面積の比)正答率 1.7%
- 平行線に切られた線分の比(三角形と比の定理)で、ほかの辺の比を出す。相似な三角形の組から対応する辺の比を出す。高さが共通な三角形は、面積の比が底辺の比になる。台形全体の面積も、同じ三角形を単位にして表してから比べる
同じ型の類題を解く
類題を解いて、間違えたら、その答えになる人に多いつまずきを読む
類題は、型の説明から作ったこのサイトの問題で、過去問の本文ではありません。間違えた答えを選ぶと、その答えになる人に多いつまずきが出ます。同じ型の続きは、型ごとの練習ページで解けます。
1-1正負の数・指数の計算2023年の正答率 95.1%
次の計算をせよ。
−5² + 14 − 3 × (−2)³
1-2文字式の分数計算2023年の正答率 77.3%
次の計算をせよ。
(7x − 4y)/6 − (5x − 9y)/10
1-3平方根の計算(展開)2023年の正答率 73.6%
次の計算をせよ。
(3√2 − √11)² + √88
1-4一次方程式(かっこ付き)2023年の正答率 90.4%
次の方程式を解け。
3(x − 3) = 2x + 1
1-5連立方程式2023年の正答率 87.6%
次の連立方程式を解け。
3x + 5y = 1 …①
4x + 7y = 3 …②
1-6二次方程式(解の公式)2023年の正答率 72.2%
次の二次方程式を解け。
5x² + 11x − 3 = 0
1-7確率(組み合わせ)2023年の正答率 71.2%
男子 4 人、女子 2 人の合わせて 6 人の中から、くじで 2 人の委員を選ぶ。
選ばれる 2 人が、男子 1 人と女子 1 人になる確率を求めよ。ただし、どの 2 人が選ばれることも同様に確からしいものとする。
1-8円周角・平行線と角2023年の正答率 66.1%
下の図のように、1 つの円の周上に 4 点 A、B、C、D が、この順に並んでいる。
点 D を通り線分 AC に平行な直線と、線分 BC を点 C の方に延ばした直線との交点を F とする。
∠ADB = 47°、∠CAD = 29° のとき、図で x° と示した ∠BDF の大きさを求めよ。
2-1文字式の利用(数の操作)2023年の正答率 31.7%
2023年のこの位置は「文字式の利用(周の長さ)」でした。類題は「文字式の利用(数の操作)」で、解き方が違います。
横一列に並んだ数について、次の【操作】を行う。
【操作】となり合う 2 つの数について、左の数から右の数を引いた差を、その 2 つの数の間の下に書き、新しい段をつくる。これを、数が 1 つになるまでくり返す。
例えば、5、−2、3 と並んでいるとき、2 段目は 5−(−2)=7、(−2)−3=−5 で 7、−5 となり、3 段目は 7−(−5)=12 となる。
1 段目に 3、−4、6、−1 と並んでいるとき、最後に残る 1 つの数を求めよ。
3-1y = ax² の変域2023年の正答率 73.7%
2023年のこの位置は「一次関数のグラフ上の点」でした。類題は「y = ax² の変域」で、解き方が違います。
関数 y = −(1/3)x² について、x の変域が −6 ≦ x ≦ 3 のときの y の変域を求めよ。
3-22点を通る直線の式2023年の正答率 38.6%
下の図は、座標平面に関数 y = (3/4)x² のグラフ f をかいたものである(O は原点)。
グラフ f 上に 2 点 A、B をとる。点 A の x 座標は −2、点 B の x 座標は 4 である。
2 点 A、B を通る直線の式を求めよ。
4-1角度を文字式で表す2023年の正答率 59.8%
下の図の △ABC は、AB = AC、∠BAC = 76° の二等辺三角形である。
∠BAC の二等分線と辺 BC との交点を E とする。辺 AC の両端を除く部分に点 D をとり、線分 BD と線分 AE との交点を F とする。
∠ABD = a° のとき、∠BFE の大きさを a を用いて表したものとして正しいものを選べ。
1-9・2-2・3-3・4-2①・4-2②・5-1・5-2には、まだ類題がありません。
落とせない問題と、正答率が低かった問題
落とせない問題から 1 段ずつ積み上げて、目標点まで登る
落とせない問題
この年の正答率が80%以上の1-1・1-4・1-5。多くの受検者が取っているので、ここを落とすと差をつけられます。
正答率が低かった問題
4-2②(相似の利用(面積の比)・1.7%)、5-2(空間図形(体積)・3.2%)、5-1(空間図形(動点と長さの最小)・12.5%)。目標点が高くなければ、後回しにしてよい問題です。
出典
- 正答率・得点分布:東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査 報告書(令和5年度)
- 平均点:東京都教育委員会の報道発表
- 8年分の正答率と型の傾向は数学の過去問分析にまとめています