都立入試の過去問・数学・令和3年度
都立入試 2021 数学の解説と正答率
2021年の都立高校入試(共通問題)の数学を、東京都教育委員会の報告書の数字で振り返ります。問題そのものは都教委の検査問題(PDF)で見られます。
正答率と得点分布は東京都教育委員会の報告書から・出典はページの最後にあります
平均点
53.3点
前の年は61.1点
80%以上の問題
4問
20点ぶん
いちばん低い問題
0.5%
4-2②
この年の数学はどうだったか
平均点は 53.3点(前の年は61.1点)。下の帯は、その点数以上をとった受検者の割合です。
その点以上をとった受検者
共通問題で受検した人の中での割合で、合格率ではありません。自校作成問題の学校を受けた人は入っていません。
小問ごとの正答率
マスや位置を押すと、検査問題の PDF のその問題があるページが開きます。「8年平均との差」は、2019〜2026年の同じ位置の平均と比べたものです。「この年の型」は、この年の問題を見て分類したものです。
- 80%以上
- 50〜80%
- 20〜50%
- 20%未満
| 位置 | この年の型 | 配点 | 正答率 | 8年平均との差 |
|---|---|---|---|---|
| 1-1p.3 | 正負の数の計算(累乗を含む) | 5 | 88.3% | +1.8 |
| 1-2p.3 | 文字式の分数計算単元ページで練習 | 5 | 62.0% | -8.8 |
| 1-3p.3 | 平方根の計算(乗法・除法) | 5 | 55.3% | -19.8 |
| 1-4p.3 | 一次方程式(かっこを含む) | 5 | 84.6% | -1.9 |
| 1-5p.3 | 連立方程式 | 5 | 87.7% | 0.0 |
| 1-6p.3 | 二次方程式(平方根を使う)単元ページで練習 | 5 | 54.8% | -10.7 |
| 1-7p.3 | y = ax² の変域 | 5 | 56.2% | -7.8 |
| 1-8p.3 | 確率(さいころ 2 つ) | 5 | 46.6% | -5.0 |
| 1-9p.3 | 作図(角の二等分線) | 6* | 59.1% | +1.4 |
| 2-1p.4 | 文字式の利用(図形の面積) | 5 | 37.8% | -15.0 |
| 2-2p.4 | 文字式の証明(図形の面積) | 7* | 14.4% | -9.0 |
| 3-1p.5 | 一次関数のグラフ上の点 | 5 | 88.7% | +13.1 |
| 3-2p.5 | 2 点を通る直線の式 | 5 | 65.9% | +2.9 |
| 3-3p.5 | 面積の関係から座標 | 5 | 9.3% | -4.4 |
| 4-1p.6 | 角度を文字式で | 5 | 64.8% | -0.1 |
| 4-2①p.6 | 二等辺三角形の証明単元ページで練習 | 7* | 32.3% | -21.8 |
| 4-2②p.6 | 相似の利用(面積)単元ページで練習 | 5 | 0.5% | -3.3 |
| 5-1p.7 | 空間図形(ねじれの位置)単元ページで練習 | 5 | 20.2% | -13.6 |
| 5-2p.7 | 空間図形(体積)単元ページで練習 | 5 | 3.6% | -4.6 |
* は部分点のある問題です。正答率は報告書の値をそのまま使っています。
小問ごとの解き方の要点
問題は都教委の PDF で見て、解き方の要点で考え方をつかむ
問題の数値は載せず、その型の考え方とつまずきやすい所だけを書いています。問題そのものは、位置のリンクから PDF のそのページで見てください。
大問1
- 1-1正負の数の計算(累乗を含む)正答率 88.3%
- 累乗 → かけ算・わり算 → たし算・ひき算の順。かっこが無ければ − は 2 乗の外にあり、−a² と (−a)² は符号が逆になる
- 1-2文字式の分数計算正答率 62.0%
- 分母を最小公倍数でそろえ、ひく側の分子はかっこごと引く。かっこを外す時は、中の符号を全部変える
- 1-3平方根の計算(乗法・除法)正答率 55.3%
- わり算は分数の形にして、かけ算と一緒に 1 つの √ にまとめる。√ の中はできるだけ小さくする。分母に √ が残ったら、分母と分子に同じ √ をかけて有理化する
- 1-4一次方程式(かっこを含む)正答率 84.6%
- かっこを外してから、文字の項を左辺、数の項を右辺に集める。移項したら符号を変える
- 1-5連立方程式正答率 87.7%
- どちらかの文字の係数をそろえて消す。係数が違う時は、片方の式を何倍かしてそろえてから、足すか引く。求めた値をもとの式に代入して、もう一方を出す
- 1-6二次方程式(平方根を使う)正答率 54.8%
- 「( )² = 数」の形なら、展開せずに両辺の平方根をとる。± を忘れずに、かっこの中の数を移項して 2 つの解を書く
- 1-7y = ax² の変域正答率 56.2%
- x の変域の両端を代入する。0 をまたぐ時は、x = 0 の時の y = 0 も候補に入れる。係数が負ならグラフは下に開き、最大が 0、最小は 0 から遠い方の端の値になる
- 1-8確率(さいころ 2 つ)正答率 46.6%
- 2 つのさいころの目の出方は 6 × 6 = 36 通り。縦と横に目を並べた表を書き、条件に合うマスを数える。等号を含むかどうか(以上・より大きい)を確かめる
- 1-9作図(角の二等分線)正答率 59.1%
- 2 本の直線から等しい距離にある点は、その 2 直線がつくる角の二等分線の上にある。3 本の直線なら、角の二等分線を 2 本作図して、その交点をとる。どの側の角を二等分するかは、点がある側で決める
大問2
大問3
大問4
- 4-1角度を文字式で正答率 64.8%
- 長方形の対角線は、4 つの頂点を通る円の直径になる。直径に対する円周角は 90°。同じ弧に対する円周角は等しい。数で決まる角を先に埋め、文字は最後まで文字のまま扱う
- 4-2①二等辺三角形の証明正答率 32.3%
- 2 つの角が等しいことを示せば、二等辺三角形といえる。等しい辺があれば、その二等辺三角形の底角が等しい。平行線の錯角、対頂角を使って等しい角をつなぐ
- 4-2②相似の利用(面積)正答率 0.5%
- 直径が見えたら、直径に対する円周角が 90° の直角三角形に注目する。直角三角形では三平方の定理。わからない長さを文字で置いて方程式にする。相似な三角形から線分の比を出し、底辺と高さを求めて面積を出す
大問5
同じ型の類題を解く
類題を解いて、間違えたら、その答えになる人に多いつまずきを読む
類題は、型の説明から作ったこのサイトの問題で、過去問の本文ではありません。間違えた答えを選ぶと、その答えになる人に多いつまずきが出ます。同じ型の続きは、型ごとの練習ページで解けます。
1-1正負の数・指数の計算2021年の正答率 88.3%
次の計算をせよ。
−5² + 14 − 3 × (−2)³
1-2文字式の分数計算2021年の正答率 62.0%
次の計算をせよ。
(7x − 4y)/6 − (5x − 9y)/10
1-3平方根の計算(展開)2021年の正答率 55.3%
次の計算をせよ。
(3√2 − √11)² + √88
1-4一次方程式(かっこ付き)2021年の正答率 84.6%
次の方程式を解け。
3(x − 3) = 2x + 1
1-5連立方程式2021年の正答率 87.7%
次の連立方程式を解け。
3x + 5y = 1 …①
4x + 7y = 3 …②
1-6二次方程式(解の公式)2021年の正答率 54.8%
2021年のこの位置は「二次方程式(平方根を使う)」でした。類題は「二次方程式(解の公式)」で、解き方が違います。
次の二次方程式を解け。
5x² + 11x − 3 = 0
1-7確率(組み合わせ)2021年の正答率 56.2%
2021年のこの位置は「y = ax² の変域」でした。類題は「確率(組み合わせ)」で、解き方が違います。
男子 4 人、女子 2 人の合わせて 6 人の中から、くじで 2 人の委員を選ぶ。
選ばれる 2 人が、男子 1 人と女子 1 人になる確率を求めよ。ただし、どの 2 人が選ばれることも同様に確からしいものとする。
1-8円周角・平行線と角2021年の正答率 46.6%
2021年のこの位置は「確率(さいころ 2 つ)」でした。類題は「円周角・平行線と角」で、解き方が違います。
下の図のように、1 つの円の周上に 4 点 A、B、C、D が、この順に並んでいる。
点 D を通り線分 AC に平行な直線と、線分 BC を点 C の方に延ばした直線との交点を F とする。
∠ADB = 47°、∠CAD = 29° のとき、図で x° と示した ∠BDF の大きさを求めよ。
2-1文字式の利用(数の操作)2021年の正答率 37.8%
2021年のこの位置は「文字式の利用(図形の面積)」でした。類題は「文字式の利用(数の操作)」で、解き方が違います。
横一列に並んだ数について、次の【操作】を行う。
【操作】となり合う 2 つの数について、左の数から右の数を引いた差を、その 2 つの数の間の下に書き、新しい段をつくる。これを、数が 1 つになるまでくり返す。
例えば、5、−2、3 と並んでいるとき、2 段目は 5−(−2)=7、(−2)−3=−5 で 7、−5 となり、3 段目は 7−(−5)=12 となる。
1 段目に 3、−4、6、−1 と並んでいるとき、最後に残る 1 つの数を求めよ。
3-1y = ax² の変域2021年の正答率 88.7%
2021年のこの位置は「一次関数のグラフ上の点」でした。類題は「y = ax² の変域」で、解き方が違います。
関数 y = −(1/3)x² について、x の変域が −6 ≦ x ≦ 3 のときの y の変域を求めよ。
3-22点を通る直線の式2021年の正答率 65.9%
下の図は、座標平面に関数 y = (3/4)x² のグラフ f をかいたものである(O は原点)。
グラフ f 上に 2 点 A、B をとる。点 A の x 座標は −2、点 B の x 座標は 4 である。
2 点 A、B を通る直線の式を求めよ。
4-1角度を文字式で表す2021年の正答率 64.8%
下の図の △ABC は、AB = AC、∠BAC = 76° の二等辺三角形である。
∠BAC の二等分線と辺 BC との交点を E とする。辺 AC の両端を除く部分に点 D をとり、線分 BD と線分 AE との交点を F とする。
∠ABD = a° のとき、∠BFE の大きさを a を用いて表したものとして正しいものを選べ。
1-9・2-2・3-3・4-2①・4-2②・5-1・5-2には、まだ類題がありません。
落とせない問題と、正答率が低かった問題
落とせない問題から 1 段ずつ積み上げて、目標点まで登る
落とせない問題
この年の正答率が80%以上の1-1・1-4・1-5・3-1。多くの受検者が取っているので、ここを落とすと差をつけられます。
正答率が低かった問題
4-2②(相似の利用(面積)・0.5%)、5-2(空間図形(体積)・3.6%)、3-3(面積の関係から座標・9.3%)。目標点が高くなければ、後回しにしてよい問題です。
出典
- 正答率・得点分布:東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査 報告書(令和3年度)
- 平均点:東京都教育委員会の報道発表
- 8年分の正答率と型の傾向は数学の過去問分析にまとめています