都立入試の過去問・数学・令和2年度
都立入試 2020 数学の解説と正答率
2020年の都立高校入試(共通問題)の数学を、東京都教育委員会の報告書の数字で振り返ります。問題そのものは都教委の検査問題(PDF)で見られます。
正答率と得点分布は東京都教育委員会の報告書から・出典はページの最後にあります
平均点
61.1点
80%以上の問題
3問
15点ぶん
いちばん低い問題
2.4%
5-2
この年の数学はどうだったか
平均点は 61.1点。下の帯は、その点数以上をとった受検者の割合です。
その点以上をとった受検者
共通問題で受検した人の中での割合で、合格率ではありません。自校作成問題の学校を受けた人は入っていません。
小問ごとの正答率
マスや位置を押すと、検査問題の PDF のその問題があるページが開きます。「8年平均との差」は、2019〜2026年の同じ位置の平均と比べたものです。「この年の型」は、この年の問題を見て分類したものです。
- 80%以上
- 50〜80%
- 20〜50%
- 20%未満
| 位置 | この年の型 | 配点 | 正答率 | 8年平均との差 |
|---|---|---|---|---|
| 1-1p.3 | 正負の数の計算(分数のわり算を含む) | 5 | 78.0% | -8.5 |
| 1-2p.3 | 文字式の計算(かっこを外す)単元ページで練習 | 5 | 93.8% | +23.0 |
| 1-3p.3 | 平方根の計算(展開) | 5 | 76.2% | +1.1 |
| 1-4p.3 | 一次方程式(かっこを含む) | 5 | 93.2% | +6.7 |
| 1-5p.3 | 連立方程式 | 5 | 93.1% | +5.4 |
| 1-6p.3 | 二次方程式(解の公式)単元ページで練習 | 5 | 57.3% | -8.2 |
| 1-7p.3 | 度数分布表と割合 | 5 | 77.2% | +13.2 |
| 1-8p.3 | 円周角と角度 | 5 | 37.3% | -14.3 |
| 1-9p.3 | 作図(垂直二等分線) | 6* | 66.0% | +8.3 |
| 2-1p.4 | 文字式の利用(円柱の体積) | 5 | 62.7% | +9.9 |
| 2-2p.4 | 文字式の証明(円柱の体積) | 7* | 26.3% | +2.9 |
| 3-1p.5 | y = ax² の変域 | 5 | 74.2% | -1.4 |
| 3-2p.5 | 2 点を通る直線の式 | 5 | 69.0% | +6.0 |
| 3-3p.5 | 面積の関係から座標 | 5 | 17.4% | +3.7 |
| 4-1p.6 | 角度を文字式で | 5 | 64.6% | -0.3 |
| 4-2①p.6 | 合同の証明単元ページで練習 | 7* | 65.7% | +11.6 |
| 4-2②p.6 | 相似の利用(線分の比)単元ページで練習 | 5 | 6.6% | +2.8 |
| 5-1p.7 | 空間図形(三角形の面積)単元ページで練習 | 5 | 38.3% | +4.5 |
| 5-2p.7 | 空間図形(体積)単元ページで練習 | 5 | 2.4% | -5.8 |
* は部分点のある問題です。正答率は報告書の値をそのまま使っています。
小問ごとの解き方の要点
問題は都教委の PDF で見て、解き方の要点で考え方をつかむ
問題の数値は載せず、その型の考え方とつまずきやすい所だけを書いています。問題そのものは、位置のリンクから PDF のそのページで見てください。
大問1
- 1-1正負の数の計算(分数のわり算を含む)正答率 78.0%
- わり算はたし算・ひき算より先に計算する。分数でわる時は、逆数をかける
- 1-2文字式の計算(かっこを外す)正答率 93.8%
- かっこの前の数は、かっこの中のすべての項にかける。かっこの前が − なら、中の符号を全部変えて外す。最後に同じ文字の項どうしをまとめる
- 1-3平方根の計算(展開)正答率 76.2%
- ( + )( + )の形は、分配法則で 4 つの積を全部書き出す。√ の 2 乗は中身になる。整数どうし、√ の項どうしを分けてまとめる
- 1-4一次方程式(かっこを含む)正答率 93.2%
- かっこを外してから、文字の項を左辺、数の項を右辺に集める。移項したら符号を変える
- 1-5連立方程式正答率 93.1%
- どちらかの文字の係数をそろえて消す。係数が違う時は、片方の式を何倍かしてそろえてから、足すか引く。求めた値をもとの式に代入して、もう一方を出す
- 1-6二次方程式(解の公式)正答率 57.3%
- 整数の範囲で因数分解できない時は、解の公式を使う。a・b・c を符号ごと書き出し、b² − 4ac を先に計算する。x² の係数が 1 でない時は、分母の 2a にも注意
- 1-7度数分布表と割合正答率 77.2%
- 「以上」は境の値を含み、「未満」は含まない。条件に合う階級の度数を足し、合計の人数でわる(相対度数)。百分率なら 100 をかける
- 1-8円周角と角度正答率 37.3%
- 中心角は、同じ弧に対する円周角の 2 倍。直径をはさむ両側の中心角は、合わせて 180°。等しいと書かれた角を、この関係で式にする。半径は等しいので、中心と円周上の 2 点を結んだ三角形は二等辺三角形になる
- 1-9作図(垂直二等分線)正答率 66.0%
- 2 点から等しい距離にある点は、その 2 点を結ぶ線分の垂直二等分線の上にある。垂直二等分線を作図し、点が乗る辺との交点をとる
大問2
大問3
- 3-1y = ax² の変域正答率 74.2%
- x の変域の両端を代入する。0 をまたぐ時は、最小が 0、最大は 0 から遠い方の端の値になる(y = ax² の係数が正の時)
- 3-22 点を通る直線の式正答率 69.0%
- グラフ上の点の y 座標は、x 座標を関数の式に代入して出す。2 点の座標から傾き(y の増加量 ÷ x の増加量)を出し、1 点を代入して切片を出す
- 3-3面積の関係から座標正答率 17.4%
- y 軸について線対称な点は、x 座標の符号だけが変わる。曲線上の点は、x 座標を文字で置いて y 座標を式で表す。四角形は、座標軸に平行な対角線などで 2 つの三角形に分けて面積を表す。面積の関係を方程式にし、範囲に合う解を選ぶ
大問4
- 4-1角度を文字式で正答率 64.6%
- 正方形の角は 90°。等しい 2 辺をもつ直角三角形は直角二等辺三角形で、残りの角は 45°。三角形の内角の和は 180°、一直線の角も 180°。求めたい角のとなりの角を先に出し、文字は最後まで文字のまま扱う
- 4-2①合同の証明正答率 65.7%
- 正方形の辺はすべて等しく、角はすべて 90°。等しい長さから等しい長さを引いた残りも等しい。合同条件は「2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」などから選ぶ
- 4-2②相似の利用(線分の比)正答率 6.6%
- 前の問いの合同から、対応する角が等しいことを使うと、2 本の直線が垂直に交わるとわかる。直角を持つ三角形どうしで相似を見つけ、三平方の定理と対応する辺の比で長さを出す。求めたい線分は「全体 − 一部」で出し、比はかけ算でそろえて最も簡単な整数の比にする
同じ型の類題を解く
類題を解いて、間違えたら、その答えになる人に多いつまずきを読む
類題は、型の説明から作ったこのサイトの問題で、過去問の本文ではありません。間違えた答えを選ぶと、その答えになる人に多いつまずきが出ます。同じ型の続きは、型ごとの練習ページで解けます。
1-1正負の数・指数の計算2020年の正答率 78.0%
次の計算をせよ。
−5² + 14 − 3 × (−2)³
1-2文字式の分数計算2020年の正答率 93.8%
2020年のこの位置は「文字式の計算(かっこを外す)」でした。類題は「文字式の分数計算」で、解き方が違います。
次の計算をせよ。
(7x − 4y)/6 − (5x − 9y)/10
1-3平方根の計算(展開)2020年の正答率 76.2%
次の計算をせよ。
(3√2 − √11)² + √88
1-4一次方程式(かっこ付き)2020年の正答率 93.2%
次の方程式を解け。
3(x − 3) = 2x + 1
1-5連立方程式2020年の正答率 93.1%
次の連立方程式を解け。
3x + 5y = 1 …①
4x + 7y = 3 …②
1-6二次方程式(解の公式)2020年の正答率 57.3%
次の二次方程式を解け。
5x² + 11x − 3 = 0
1-7確率(組み合わせ)2020年の正答率 77.2%
2020年のこの位置は「度数分布表と割合」でした。類題は「確率(組み合わせ)」で、解き方が違います。
男子 4 人、女子 2 人の合わせて 6 人の中から、くじで 2 人の委員を選ぶ。
選ばれる 2 人が、男子 1 人と女子 1 人になる確率を求めよ。ただし、どの 2 人が選ばれることも同様に確からしいものとする。
1-8円周角・平行線と角2020年の正答率 37.3%
下の図のように、1 つの円の周上に 4 点 A、B、C、D が、この順に並んでいる。
点 D を通り線分 AC に平行な直線と、線分 BC を点 C の方に延ばした直線との交点を F とする。
∠ADB = 47°、∠CAD = 29° のとき、図で x° と示した ∠BDF の大きさを求めよ。
2-1文字式の利用(数の操作)2020年の正答率 62.7%
2020年のこの位置は「文字式の利用(円柱の体積)」でした。類題は「文字式の利用(数の操作)」で、解き方が違います。
横一列に並んだ数について、次の【操作】を行う。
【操作】となり合う 2 つの数について、左の数から右の数を引いた差を、その 2 つの数の間の下に書き、新しい段をつくる。これを、数が 1 つになるまでくり返す。
例えば、5、−2、3 と並んでいるとき、2 段目は 5−(−2)=7、(−2)−3=−5 で 7、−5 となり、3 段目は 7−(−5)=12 となる。
1 段目に 3、−4、6、−1 と並んでいるとき、最後に残る 1 つの数を求めよ。
3-1y = ax² の変域2020年の正答率 74.2%
関数 y = −(1/3)x² について、x の変域が −6 ≦ x ≦ 3 のときの y の変域を求めよ。
3-22点を通る直線の式2020年の正答率 69.0%
下の図は、座標平面に関数 y = (3/4)x² のグラフ f をかいたものである(O は原点)。
グラフ f 上に 2 点 A、B をとる。点 A の x 座標は −2、点 B の x 座標は 4 である。
2 点 A、B を通る直線の式を求めよ。
4-1角度を文字式で表す2020年の正答率 64.6%
下の図の △ABC は、AB = AC、∠BAC = 76° の二等辺三角形である。
∠BAC の二等分線と辺 BC との交点を E とする。辺 AC の両端を除く部分に点 D をとり、線分 BD と線分 AE との交点を F とする。
∠ABD = a° のとき、∠BFE の大きさを a を用いて表したものとして正しいものを選べ。
1-9・2-2・3-3・4-2①・4-2②・5-1・5-2には、まだ類題がありません。
落とせない問題と、正答率が低かった問題
落とせない問題から 1 段ずつ積み上げて、目標点まで登る
落とせない問題
この年の正答率が80%以上の1-2・1-4・1-5。多くの受検者が取っているので、ここを落とすと差をつけられます。
正答率が低かった問題
5-2(空間図形(体積)・2.4%)、4-2②(相似の利用(線分の比)・6.6%)、3-3(面積の関係から座標・17.4%)。目標点が高くなければ、後回しにしてよい問題です。
出典
- 正答率・得点分布:東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査 報告書(令和2年度)
- 平均点:東京都教育委員会の報道発表
- 8年分の正答率と型の傾向は数学の過去問分析にまとめています